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​「司法修習制度」のまとめ

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 ​司法修習制度の概要

司法修習制度について、まとめました。

Ⅰ. 司法修習

司法修習とは、司法修習生の修習をいいます(最高裁判所「司法修習委員会規則」1条)。

司法修習は,司法研修所において,司法研修所教官の指導の下に行われ(裁判所法14,55条2項参照),「少なくとも一年間」修習をした後,司法修習生考試に合格すると、修了します(法67条1項。​

司法修習の課程は実務修習集合修習に分けられ、実務修習は、分野別実務修習選択型実務修習に分けられます(最高裁判所 司法修習委員会「議論の取りまとめ(平成16年7月2日答申)」(最高裁判所,2004年)参照)。

Ⅱ. 司法修習の課程

1.実務修習

実務修習とは、司法修習のうち、実務家の個別的指導に基づき法律実務を身をもって体験する臨床教育をいいます(最高裁判所 司法修習委員会「議論の取りまとめ(平成16年7月2日答申)」(最高裁判所,2004年)参照)​。

1-a.分野別実務修習

分野別実務修習とは、司法修習の実務修習のうち、弁護,検察,民事裁判及び刑事裁判のそれぞれの分野の実務について臨床教育を行うものです(最高裁判所 司法修習委員会「議論の取りまとめ(平成16年7月2日答申)」(最高裁判所,2004年)7頁参照)。

分野別実務修習の期間は,弁護,検察,民事裁判及び刑事裁判の各分野について それぞれ2か月(合計8か月)程度です(同上参照)。

1-b.選択型実務修習

選択型実務修習とは、司法修習の実務修習のうち、分野別実務修習で民事裁判, 刑事裁判,検察,弁護の各分野を一通り体験した後に 司法修習生各自がその実情に応じて,主体的に選択,設計することにより,分野別実務修習の成果の深化と補完を図ったり,分野別実務修習の課程では体験できない領域における実務修習を行ったりする課程をいいます(最高裁判所 司法修習委員会「議論の取りまとめ(平成16年7月2日答申)」(最高裁判所,2004年)9頁参照)。

2.集合修習

集合修習とは、司法修習のうち、実務修習における個別体験を,法的問題の解決手続の全体的な構造の中に体系付けて整理することによって,汎用性を持った知識,技法として身に付けさせるとともに 一定水準の実務の在り方を修得させる課程をいいます(最高裁判所 司法修習委員会「議論の取りまとめ(平成16年7月2日答申)」(最高裁判所,2004年)11頁参照)。

司法修習生】​

司法修習生

司法修習生とは裁判所法66条1項に基づき,司法試験に合格した者の中から、最高裁判所が命じる者であって、少なくとも一年間修習をした後試験(司法修習生考試)を受けて,合格するとその修習を終えます(同法66条2項)。

司法試験に合格した者から、司法修習生採用選考の申込みがあった場合には,以下の2条に該当するときを除き,司法修習生として採用されます(最高裁判所「司法修習生採用選考審査基準」(最高裁判所,2016年)1条)。

2 司法修習生採用選考申込者に次に掲げる事由があると認めるときは,これを不採用とする。

(1)次のいずれかに該当すること。

ア 禁錮以上の刑に処せられた者

イ 成年被後見人又は被保佐人

ウ 民法の一部を改正する法律(平成11年法律第149号)附則第3条第2 項の規定により被保佐人とみなされる準禁治産者以外の準禁治産者

エ 破産者で復権を得ない者

オ 品位を辱める行状その他の理由により修習をすることが不相当である者

カ 病気その他の理由により修習をすることが困難である者

(2)司法修習生であった者が,次のいずれかに該当すること。 -

ア 修習態度の著しい不良その他の理由により修習をすることが不相当である者

イ 成績不良(裁判所法(昭和22年法律第59号)第67条第1項の試験の 不合格を除く。)その他の理由により修習をすることが困難である者

ウ 裁判所法第67条第1項の試験に連続して3回合格しなかった者(再度司法試験法による司法試験に合格した者を除く。)。ただし,病気その他やむ を得ないと認められる事情により,裁判所法第67条第1項の試験の全部又 は一部を受験することができなかった場合には,当該試験については,受験回数として数えないものとすることができる。

(3)司法修習生採用選考要項において定める手続を遵守しなかったこと。

​【修了試験】

司法修習生考試

司法修習生考試とは、司法修習において、司法修習生が法曹資格を与えるのにふさわしい資質・能力を備えているかどうかを判定することを目的として、行われる最終の試験です(最高裁判所 司法修習委員会「議論の取りまとめ(平成16年7月2日答申)」(最高裁判所,2004年)14頁参照)。

法曹資格を与えるのにふさわしい資質・能力を備えているかどうかを判定することを目的として行われる試験のうち、司法試験の後、二回目に行われる試験であることから、通称、二回試験といわれます。

司法修習委員会

司法修習委員会とは、司法修習及びこれに係る司法研修所の管理運営に関し、司法修習の充実及び法科大学院における教育と司法修習との有機的連携の確保並びに法曹相互の協力の強化を図るため、最高裁判所に設置される委員会です(司法修習委員会規則(平成十五年四月九日最高裁判所規則第十一号)1条)。


司法修習委員会は,司法制度改革審議会意見の提言の趣旨を踏まえ,司法修習委
員会規則により,最高裁判所に新たに設置されました(最高裁判所「司法試験委員会について」(最高裁判所)

 ​参考文献

最高裁判所「現在の司法修習制度について(首相官邸、法曹養成検討会 7回 配布資料,2003年)​​

最高裁判所「新しい司法修習について(首相官邸、法曹養成検討会 7回 配布資料,2003年)​​

最高裁判所「新しい司法修習&現在の司法修習(首相官邸、法曹養成検討会 7回 配布資料,2003年)​​

最高裁判所 司法修習委員会「議論の取りまとめ(平成16年7月2日答申)」(最高裁判所,2004年)

最高裁判所 司法修習委員会「骨子」(最高裁判所,2004年)

最高裁判所 司法修習委員会「現行型司法修習の開始時期の繰下げ等について(平成20年11月意見具申)」(最高裁判所,2004年)

最高裁判所 司法修習委員会「選択型実務修習の現状と課題について(平成22年9月27日委員長談話)」(最高裁判所,2010年)

最高裁判所「司法修習委員会について」(最高裁判所

最高裁判所「司法修習生採用選考審査基準」(最高裁判所,2016年)

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