年齢
年齢
ある人の出生から現在時点までの経過期間を年あるいは年月日によって数えたもの。法律上種々の場合に一定の効果をもたらす要件とされる。例えば、六歳になると就学義務が生じ、女は一六歳、男は一八歳で婚姻年齢に達し、二〇歳で成年に達する。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]
満年齢
誕生日ごとに一歳を加える年齢の言い表し方。また、そうして数えた年齢。国又は地方公共団体が年齢を言い表す場合には、法律により満年齢によるべきこととされている(年齢計算、年齢称呼)。
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最低年齢
年齢による資格要件のために用いられる語で、当該資格を有する者が備えるべき年齢の下限を指す。その年齢に達しない者はその資格を有し得ないとされる。
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刑事責任年齢
刑事責任を負い得るとされる年齢。刑法は、満一四歳をこの年齢としている。この年齢に至らない者の行為は、犯罪とはならない(四一)。
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成年
自然人が完全な行為能力者となる年齢。民法は満二〇年をもって成年としている(四)。婚姻すると成年に達したものとみなされる(七五三)。成年に達すると、行為能力を取得するほか、養子をすることができるなど種々の効果がある。また、公証人、弁理士等になる資格なども、成年になって与えられる。天皇、皇太子、皇太孫の成年は満一八年(典二二)。
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コラムー年齢による人間の区別ー
成年者
成年に達した者。憲法一五条三項に、「公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する」という用例がある。憲法は、成年が何年であるのか定めることなく、法律の定めるところに譲っている(公選九)。
なお、令和四年四月一日より、年齢十八歳に引き下げられる(令和元年六月十四日公布(令和元年法律第三十四号)改正)
成人
少年法においては、満二〇歳以上の者と定義されているが(二①)、成人に達した人、大人の人などの意で用いられる例(成人の日)もある。
未成年者
年齢が満二〇年に達しない者(民四。なお、典二二参照)。
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民法上は、判断能力が不完全なので、制限行為能力者とされ、行為能力を制限される。その法律行為には、原則として親権者又は未成年後見人である法定代理人の同意が必要(五)。
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刑法上は、満一四年に達していれば責任能力があるが(四一)、二〇年未満の者の犯罪については、保護処分など少年法による特別手続がとられる。
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飲酒行為、労働関係等についても、未成年者等についての特別取扱いの法令がある。
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少年
少年法上、二〇歳未満の者(二)。罪を犯した少年に対しては少年法の適用があり、家庭裁判所を経由して保護処分か刑事処分相当かの審判を受けなければならない。なお、民法上は二〇歳未満のことを「未成年者」と呼ぶ(四参照)。また、児童福祉法の対象たる「児童」は一八歳未満の者を意味するが、そのうち小学校就学の始期から満一八歳に達するまでの者を少年としている(四①)。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]
年少者
何歳未満の者を指すかにつき一定の基準はなく、それぞれの法令に決められている。労働基準法では、「満一八歳に満たない者」と「未成年者」の双方を対象としている(六章)。
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児童
一般に心身の発育の未熟な年少者を指すが、実定法上、その範囲は必ずしも一致していない(なお、憲二七③参照)。児童福祉法では一八歳未満の者を総称しており(四)、これが一応の基準となるが、全ての場合がこれによっているわけではない。労働基準法上は満一五歳に達した後の最初の三月三一日以前をいい(五六)、「母子及び寡婦福祉法」では二〇歳に満たない者をいう(六②)。学校教育法上は、小学校に就学している者のこと(一七・一八)。
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子ども
子どもとは、十八歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にある者をいいます(子ども・子育て支援法6条1項前半)。
青少年
青少年とは,十八歳に満たない者をいいます(青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律2条1項)。
幼年
おさない年ごろ。おさない子供。普通「少年」のうち年齢が下の方に属する者をいうが、一定の年齢が画されるものではない。扶助や保護を必要とする理由として用いられる。例、「子又は孫が幼年で、他にこれを保護する親族がないとき」(刑訴四八二)。
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乳児
乳児とは,児童のうち,満一歳に満たない者をいいます(児童福祉法4条1項1号)。
幼児
満一歳から小学校就学の始期に達するまでの者をいう。児童福祉法上、児童(満一八歳に満たない者)の一区分である(四、母子保健六③)。
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なお、道路交通法上は六歳未満の者をいいます(道路交通法14条3項第2括弧書)。
小学校就学前子ども
小学校就学前子どもとは、子どものうち小学校就学の始期に達するまでの者ををいいます(子ども・子育て支援法6条1項後半)。
高年齢者
「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」に基づく各種の対策の対象となる者のことであり、五五歳以上の者をいう(二①、高年則一)。
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高齢者
高齢者とは、六十五歳以上の者をいいます(高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律2条1項)。
前期高齢者
六五歳以上七五歳未満の高齢者をいう。「高齢者の医療の確保に関する法律」において、前期高齢者である加入者の偏在による保険者間の負担の不均衡を調整するため、前期高齢者交付金による保険者間の財政調整の仕組みが設けられている(三章)。
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後期高齢者
七五歳以上の高齢者をいう。
コラムー教育を受けている者ー
生徒
学校教育法上は、中学校(特別支援学校の中学部を含む)、高等学校(特別支援学校の高等部を含む)、中等教育学校及び専修学校において教育を受けている者のこと。各種学校において教育を受けている者も生徒という(各種学校規程五②)。保護者が中学校、中等教育学校の前期課程又は特別支援学校の中学部に就学させる義務を負っている満一五歳までの者を学齢生徒という(学教一八)
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学齢児童
小学校に就学させる義務のある子のこと。学校教育法上の概念で、保護者は子が満六歳に達した日の翌日以後における最初の学年の初めから満一二歳に達した日の属する学年の終わりまで小学校に就学させなければならないとされている。ただし、病弱、発育不完全その他やむを得ない事由のため就学困難と認められる場合は就学義務を猶予又は免除し得る(一七・一八)。
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児童生徒
学齢児童と学齢生徒を総称して、児童生徒という(義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律2条2号)。
不登校児童生徒
不登校児童生徒とは,相当の期間学校を欠席する児童生徒であって、学校における集団の生活に関する心理的な負担その他の事由のために就学が困難である状況として文部科学大臣が定める状況にあると認められるものをいいます(義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律2条3号)。
待機児童
待機児童とは,保育所における保育を行うことの申込みを行った保護者の当該申込みに係る児童であって保育所における保育が行われていないものをいいます(社会保障制度改革推進法8条)。