損害
損害
債務の不履行や権利の侵害などによって受ける不利益。損害賠償という法律効果を生じさせる要件の一つ。財産的損害と精神的損害、積極的損害と消極的損害、通常生ずべき損害と特別の事情によって生じた損害等に分類することができる。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]
損失
適法行為によって加えられた財産上の特別の犠牲のことを指し、不法行為を原因とする「損害」と区別される。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]
ー財産的損害と精神的損害ー
財産的損害
財産上受ける損害。精神的損害に対する語。損害は金銭に見積もって算出される。財産の侵害の場合だけでなく、身体への加害があった場合にも財産的損害が生ずる。損害賠償においては、財産的損害、精神的損害ともに賠償される。
精神的損害
悲しみや精神的苦痛のように精神に加えられた不利益な状態。不法行為による損害賠償の責任のある者は精神的損害に対しても賠償しなければならない。財産的損害に対する語。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]
ー積極的損害と消極的損害ー
逸失利益(消極的損害)
債務不履行や不法行為がなければ本来得られたであろう利益のこと。債務不履行や不法行為に基づく損害賠償において問題となる。得べかりし利益又は消極的損害ともいう。例えば、交通事故で死亡した場合、その者が生存していれば、労働することによって得ることができたであろうはずの利益。なお、これに対して、入院による治療費など財産を積極的に減少させる損害を積極的損害という。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]
ー通常生ずべき損害と特別の事情によって生じた損害ー
通常損害
債務不履行によって通常生ずることが予想される損害(民四一六①)。損害賠償の範囲は原則として通常損害に限られる。特別損害に対する語。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]
特別損害
債務不履行があった場合に、特別の事情によって生ずる損害。債務者がその事情を予見し、又は予見することができるときには、その賠償を請求することができる(民四一六②)。通常損害に対する語。
[有斐閣 法律用語辞典 第4版]